校閲
誰かにとって
確かな出版物のために
校閲第一部
これまでの社歴
- 校閲第三部
- 校閲第一部
- 週刊現代編集部
- 校閲第一部

「校閲って、誤字脱字とか、変な日本語を直す仕事でしょう」
または少し知っている人であれば、
「事実関係の間違いとか、矛盾点を指摘したりするんでしょう」
――校閲の仕事をしているというと、そんなふうに言われることがあります。確かにそれらはこの仕事の大事な要素です。でもたぶん、仕事の説明としては、「これから世に出ようとする出版物の正確性、信頼性を高めるのが校閲」というほうがより正確なのかなと思います。ジャンルを問わず、あらゆる出版物は何かの(あるいは誰かの人生にとっての)大事な資料となる可能性をもっています。だからこそ、可能な限り不正確な情報、不当な表現などの少ない出版物を作る、そこに携わるのが我々校閲者です。
講談社は総合出版社なので、入社後は様々なジャンルの出版物を校閲していくことになります。私は今、幼児誌を担当していますが、自分の幼少時をふり返ってみても、子供って案外大人よりも熱心な読者ですし、本に書かれたことを信頼しています(と同時にとてもシビアです)。だから一見かんたんな日本語も、ヒーロー、怪獣の名前や身長・体重も、複数の辞書や資料にあたりながら、大人向けの出版物と同等かそれ以上の丁寧さで読むことが求められます。
毎日、朝から晩まで机に向かって一語一語、指や鉛筆の先をあてがいながら、黙々と慎重にテキストを読んでいきます(ときには鉛筆がたてる音や、辞書がめくられる音が響くほど静かな部署です)。それはもしかしたら傍目には肩の凝るような仕事に思えるかもしれません。でも、誰かにとって大切なものになりうる出版物に関わっている実感、日々新しい知識に出会い、今まさに世に出ようとしている「生きていることば」に触れ続けることができるという喜びは大きいですし、確かなものだと思っています。
校閲の仕事
出版前に文字や内容を確認し、誤りを訂正することで、講談社の雑誌や本の信頼性を高めます。

一番印象に残っている仕事

報われたストーキング
以前「群像」を担当していたときに、学生時代からずっとファンだった作家さんの小説を校閲しました。登場人物がある人物を半ばストーカー的に追跡する話で、途中、都内を車で駆け回る場面があり、その経路に不自然な点がないか僕もマップで逐一主人公をストーキングしながら読みました。そのこと自体は校閲者として特別な仕事ではありませんが、あとになって作家ご本人に直接そのことをお伝えする機会があり、「そういう読み方を求めていたし、してもらえて嬉しい」と言っていただいたときは、こちらのほうが嬉しかったです。
ある日のスケジュール
10:00
出社。フリー校正者の方々へゲラ(校正用の仮刷り)を配り、自分でも校閲開始

13:00
近所の行きつけのカレー屋で昼食

14:00
校閲再開
14:30
印刷会社の方よりゲラの詰まった袋を受領。開封し、配ったり自分で読んだりする

20:30
同僚より新宿で飲んでいるという旨のLINEを受信。時を同じくして印刷会社の方よりゲラの詰まった袋を受領。少考ののち開封せずに退社
ひとことQ&A
Q1
あなたが思う「講談社」の魅力
Q2
今の部署で必要な資質は何?
Q3
おすすめの本とその理由
一文が数ページにわたることもある異様な小説で、毎日こつこつ読んでも読了までに1ヵ月はかかりましたが、一つの文章の中にこれだけの膨大な時間を含めることができるのかと感動した一冊です。
Q4
オフの過ごし方

Q5
就職活動中の方へメッセージ